子どものO脚
子供のO脚は、身体的特徴としての生理的なものと、病的なものとがあります。乳幼児期にみられるO脚のほとんどは自然に起こる生理的なもので治療の必要はありません。一方、病的な場合は、症状にもよりますが、適切な治療を施せば治る可能性は比較的高いと言われています。
赤ちゃんは、生まれた時からO脚で1歳半頃ピークになります。その後徐々にまっすぐになり、3歳頃ややX脚気味になりますが、またまっすぐに戻り5〜8歳頃には安定してくるのが平均的な脚の発達過程です。
しかし、自然経過も個人差があるので、同じO脚でも状態にはかなりの違いがあります。
生理的なものと診断されれば、成長の様子を見るのが一般的ですが、湾曲が強い場合、将来的にO脚の状態が残る可能性が高いと医師が判断し、装具を付けることもあります。
病的な場合の症例では、「ブラント病」「くる病」などがありますが、レントゲン検査で判断がつきます。
ブラント病は、脛骨の内側の骨に成長障害が起きます。外側の骨ばかり成長するためO脚が悪化します。装身具治療を施しますが、有効でない場合は骨切り手術を行ないます。術後は、矯正された脚に均等に体重が掛かり、順調に成長していきます。
くる病は、骨の成長期に異常が起きるもので、ビタミンD欠乏によるものと遺伝的なものがあります。ビタミンD欠乏の症例は近年増加しています。アレルギーに対する過剰反応による偏った食生活が原因とする専門家もいます。子供だけでなく、妊婦の食生活も胎児に影響を与える事になるので問題です。しかし、ビタミンDの補充や食事療法を行えば、数ヶ月で回復するようです。
遺伝性のくる病の場合、根治するのは困難ですが、ビタミンDを大量に投与するなどの治療法がいろいろとあり改善していけます。
乳幼児のO脚はほとんどが生理的なものですが、明らかな異常が見て取れる場合には、速やかに専門医の診察を受けましょう。